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ヤフー掲示板にて、時折出没しております、kuma8_takuan と申します。 今まで書きなぐってきた物などを多少なりとも整理できましたらと思い、 不慣れながらブログというものにTryしていきます。 
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ニコライ・ネフスキー氏の書簡


アイヌのオシラ神に就いてはまだ智識は御座いませんが、樺太アイヌには Shienishte と申して男女二体の神あり、「ニハトコ」の木でこしらえてある。首の所へ少し斗り布片を纏ふのです。之を子供の御護りなりといふ。

更に松前記の記事を見ました。其の時はアイヌのオシラ神は現代アイヌのシラッキカムイに何か関係ないかしらと思って居りました。「オトラ狐の話」を金田一君のお手紙と一所に考えてみると非常に面白いと思います。

アイヌのシラッキカムイは(語源は看守する、番すると同一なり)アイヌの守り神である。アイヌが一人前になると大抵みな一つづつ(時としては沢山)もって居るそうです。少し家をはなれる様な場合には、カバンへ納めて身を放さず携帯するのです。病気にでもなると、すぐそれを取り出して全快を祈るのです。

又山中で、どっちへ赴いたら獲物に逢われるかと占う時にも、之をカバンから取り出して頭の上に載せて、呪文を唱えた後、少し頭をかたむけて頭上から下へそれを落とすのです。その落ち方を見て吉凶を卜知するのだそうです。

其のシラッキカムイの実物はどんなものでせうかと問ふに、老狐のされかうべです(時々梟の髑髏も使います)。狐は年を取ると尾のさきが二つにも三つにも裂けるさうです。それでなければ、この守り神になりませんといふ。

髑髏は綺麗に骨だけにして目の穴へはイナウのけずり屑を詰め、左右の耳の辺りをばキリヾと縛って耳のやうにイナウの端を立てます。この髑髏の中へもイナウを詰めて神聖にしてあります。

平常これをイナウの削り花の束の中へ挿入しておきます。持って歩くにも其のまヾ(屑をつけたまヾ)持って歩くのです。只占う時だけはほんの髑髏だけを頭上に載せます(金田一君の御手紙の摘要)。


大正九年四月七日   柳田國男宛 書簡より抜粋

N・ネフスキー 著  岡 正雄 編 「月と不死」平凡社 より
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父は会津、母は信濃出身で、どうみても縄文系の熊八です。北海道生まれで、関東育ち。現在は相模の国に住まいしております。
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