時代背景

西暦５８７年、中国では隋が南の梁を滅ぼし南北を統一する。これに
より後漢の滅亡以来長く戦乱にあった中国は統一され、東アジアに巨
大な帝国が出現した。これに国家存亡の危機を感じた高句麗は、隋に
対すべく後顧の憂いを断つため百済と同盟関係を構築、と同時に百済
と同盟関係にあった倭国とも友好関係を結んだ。

西暦６２８年、中国では大運河建設や万里の長城の建設そして３度の
高句麗遠征の失敗などで国政を混乱させた煬帝は失脚し隋が滅び唐が
建国される。しかし、唐帝国においても北東の高句麗の存在は脅威で
あった。このような情勢の中で、高句麗・百済に圧迫された新羅は唐
に接近し唐帝国と同盟関係を築いた。

西暦６４４年、唐の太宗は高句麗・百済両国に対し新羅に対する占領
地を返還するように勧告するも高句麗は拒否したため、高句麗遠征を
決行。

西暦６４５年、倭国では中大兄皇子が中臣鎌足らと宮中にて蘇我入鹿
を暗殺する。（大化の改新の始まり）

西暦６５５年、高句麗・百済両軍は新羅の北辺三十三城を一斉に攻撃。
唐はただちに高句麗へ出兵。

西暦６６０年、百済が唐・新羅連合軍により滅ぼされる。その後、百
済各地において百済遺民による抵抗運動がおきる。百済の鬼室福信は
救援を求め、倭国に使者を送る。斉明天皇が百済救援の為、九州に移
る。

西暦６６３年、倭国水軍が白村江で唐水軍と戦い、大敗。百済王豊璋
は、高句麗へ逃走。その結果百済側の拠点であった、周留城が陥落。
倭国軍は、亡国百済遺民をともない半島から撤退する。

西暦６６５年、唐使劉徳高らが来日する。この年、守大石・坂合部石
積らを唐に送る。（唐・倭の外交交渉開始）

西暦６６７年、都を近江大津宮へ移す。西国に高安城・屋島城・金田
城を築く。

西暦６６８年、中の大兄皇子が即位する。唐・新羅軍が高句麗を滅ぼ
して朝鮮半島を統一する。しかし、新羅の援助を得た高句麗遺民が唐
に反乱を起こす。倭国、新羅と国交を回復する。


西暦６６９年、中臣鎌足に大織冠と大臣の位を授け、藤原の姓を与え
る。藤原鎌足、没する。

西暦６７０年、庚午年籍の作成が始まる。新羅、唐と交戦し熊津都督
府（唐が百済地に置いた半島攻略の拠点）を陥落させる。

西暦６７１年１月、大友皇子が太政大臣になる。
　　　　　　９月、天智、病に臥せる。
　　　　　　１０月、大海人皇子、吉野へ向かう。
　　　　　　１１月、唐使郭務悰、倭軍捕虜ら２千人を率いて筑紫へ
　　　　　　１２月、天智天皇、没する。

天地燃ゆ （仮題）

日本で飛鳥と呼ばれた時代は、天皇制が確立して行くのと同時に　　　　　　　　　　　　
朝鮮半島では白村江において唐・新羅連合軍に敗れ未曾有の危機　　　　　　　　　　　　
を迎えた時代でもありました。この時代に台頭した天智の知略、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
藤原鎌足の謀略、そして天武の武略と大和の地はやがて天下を　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
二分する戦乱を迎えようとしていました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
葛城・吉野にある役行者、暗躍する傀儡子忍者の群れ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　乞う、ご期待　！